テクノロジー

ロルフプリマ社では、目に留まる少数ペアスポークのみならず、これを支える目立たない数々のパテント技術を保有しています。このページでは、これらの技術をご紹介しています。

1.ペアスポークテクノロジー

スポークが均等配置された従来型のホイールでは、テンションの掛かったスポークは、ハブへと真っすぐ向かう方向だけでなく、同時にフランジ外側へ向けリムを引っ張ろうとする力(横方向)が発生します。これをリムのほぼ同じ場所にスポークを一対にすることにより、左右への引っ張る力を中立化させています。もし従来型で少数スポークを組んだとすれば、上述の横方向の力が、リム中心を真値から逸脱させ、テンションの掛かるスポークが不足するホイールになってしまいます。 ペアスポークシステムでは、より少ないスポーク数で、駆動時にしっかりテンションの掛る(pulling spoke)を増やし、強くて軽いホイールを実現しています。

2.反駆動側ラージフランジハブ

ロルフプリマ独自のこの技術では、後輪の駆動トルクを左右のフランジに跨って発生させ、結果*プリングスポークの数を増やすことを実現しています。この事により、従来型の均等配置のホイールと同じ数のプリングスポークが存在していることになります。

*プリングスポーク:後輪において、スポークテンションが最低になる下死点から、上死点へと向かう間テンションが最も掛かっているスポークを言い、この本数を多くすることで、駆動力をしっかりと支えています。 他社の左右同一フランジやハイローハブでは、ライダーの高負荷に対し、駆動側のスポークにテンションが偏重するところを、左右異なったスポーク本数や組み方を変えカバーしています。ロルフプリマでは、反駆動側ラージフランジという技術で、スポーク数を減らして尚、多くのプリングスポークを可能にしました。

3.ディッシュ低減ハブデザイン

このパテント技術により、後輪駆動側のスポーク角度を少しでも大きく取り、俗に言う、おちょこ量を減らして、後輪の剛性向上に効果をもたらしています。

通常、駆動側フランジはハブ本体に対し垂直90度の設計が多い中、ロルフプリマ社は、フランジに85度の角度を与え、フリーハブボディの底面との間に空間を設けています。この事によりスポークをフランジの内側から外側へと通すことを可能にした上で、スポークがフランジに沿うようリムに向い、スポークヘッドへのストレス低減も実現しました。また、右フランジの位置設計は、一般的なハブと変わりませんので、ペアスポークシステムに関連して、駆動側スポーク角がきついということは一切ございません。

4.ロード用内装ニップル

ロルフは、2019モデルより、これまで採用してきた独自の3/16”六角型ニップルを改め、汎用のスクエアドライバーが使用できる内装ニップルデザインに一新しました。

 

新デザインでは、エランなどロープロファイルリム用には、長さ10mmを。それ以上のディープリム用には長さ12mmを採用。

 

この長さ変更により、どちらのニップルにも「ジャケット式」と、「セルフアライメント式」の両方の機能を併せ持つデザインが可能となりました。

カーボンホイールはブラス製を採用。

【ジャケットニップル】

ネジ切りを数ミリ奥から始め、ストレスの集中するネジ山部分を保護する構造。スポークの延命にも貢献。

【セルフアライメント】

スポークの張力を上げて行くと、ニップルが角度を変え、常にスポークと一直線上を保つよう、ニップル頭部に丸みを持たせた構造。

5.セラミックベアリング

ロルフプリマホイールのハブには、基本的にABI社のENDURO(エンデューロ)スティールベアリングを採用しております。一部上位モデルには、ENDURO ZEROやENDURO XD-15というセラミックベアリングを前後ハブシェル内部に標準装備しております。これらは標準で装着されないモデルについても、ホイールオーダー時にアップグレードとしてオプション選択ができ、また、ご購入後に補修パーツとしてのご注文も可能です。

価格につきましては、ロルフパートナーショップにてお尋ねください。

 

■ENDURO ZERO:

ABI社ではセラミックハイブリッド(CH)とは区別して、ゼロセラミックグレードと呼びます。

材質の硬度を上げる特別な低温処理後に鏡面仕上げされたレースとオーバーサイズのボールが成す転がり抵抗係数が、限りなくゼロに近いというのがその名の由来のようです。

XD-15:ABI社の長年の研究と技術の粋を極め、前述のZEROを凌ぐ最上位セラミックグレードです。

*更なる技術的な詳細についてはABI社のサイトでご確認ください。

https://www.endurobearings.com/products/ceramic/